3月31日(火)は特に報告する事が無かったので、フリートークの回にします。
「カウンセリングを受ける時にどんな事に気をつけたらいいですか?」
という質問を時々いだだきます。
カウンセラーも人間なので相性の問題もありますし、
料金的な事やカウンセリング技法の好みみたいなものもあります。
それらを含めて(最低限この2つに気をつけてね)という事があります。
それは「①面識のない人」に「②有料で」カウンセリングを受けて下さい、
という事をまず言います。
それはなぜか?
順番に説明しますね。
①面識のない人とのカウンセリングを勧める理由ですが
「二重関係の回避」という理由があります。
二重関係というのは、カウンセラー⇔クライエントの関係以外に、
親子、配偶者、友人、知人、上司、部下、などの関係がある事を指します。
「そのくらい信頼関係があった方が相談が上手く行くのでは?」というご意見もありますが、
クライエントの利益のためにとるべき行動や発言が阻害される、
という大きなリスクを抱えています。
そのため、産業カウンセラー倫理要綱第16条で「二重関係を避ける様に務める」
という事が明示されています。
→→→産業カウンセラー倫理要綱についてはこちらをご覧ください(協会HPに行きます)←←←
カウンセリング契約を結ぶ時に「金品の授受には応じません」という事も盛り込みますが、
それも同様に「金銭的な意味での二重関係の回避」が根源にあります。
信頼関係が大事で有る事は言うまでもありませんが、
過度に親密になる事によるリスクや弊害も合わせて考慮する必要がある
と解釈していただければと思います。
②の「有料で」という事なんですが、お金(対価)を払ってカウンセリングを受ける事を勧めます。
ボランティアの方たちが無料のカウンセリングをやっている事があるので
そちらを利用するのも1つの手段ではあります。
私はどちらの相談員も経験していますが、
明らかに有料の方がクライエントの本気度が違います。
そんな事もあってか、有料カウンセリングと無料カウンセリングの治療率を比較した時に、
有料の方が良くなる度合いが高いと言うデータもあります。
また、無料の場合は「暇つぶしのための娯楽に使われる」という害があります。
これはある相談業務での事なんですが、お金がかからない事をいい事に頻繁に利用して、
結果として本当に必要としている人が利用できなくなるケースが存在します。
こういった人達は組織・団体によって呼び方は変わりますが
「頻回者(ひんかいしゃ)」「多数回利用者(たすうかいりようしゃ)」などと呼ばれます。
ある調査では1日の相談時間の約半分が一部の頻回者に支配されていたり、
上位5人の頻回者がその月の総対応時間の2割弱を占有していた、というデータもあります。
困っている人を支援する、という事は当然です。
ただし、大切なのは本人の自主性でそれ無しにはどんな支援も意味をなしません。
そこをどの様に支えていくのか、という事が今後の大きな課題になります。
話がちょっと横にそれてしまいましたが、
カウンセリングに向き合う姿勢を整えるためにも有料でのカウンセリングを勧める、
と解釈していただけたらと思います。
解説は以上となりますがいかがだったでしょうか?
カウンセラーとは相性や使用している技法などの要素もありますが、
まずは面識のない人に有料でカウンセリングを受けるという事から
考慮していただけたらと思います。
今回の内容は以上となります!!
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